人権擁護啓発ポスターコンクールは、府内の小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・特別支援学校及び外国人学校に在籍する児童・生徒が、人権をテーマとしたポスター(絵画)の制作を通じて基本的人権について理解を一層深め、人権尊重の精神を養う機会とするため、昭和59年度から実施しています。
令和7年度の人権擁護啓発ポスターコンクールには、174校から3,631点の応募をいただき、入選者が以下のとおり決定しました。
12団体賞受賞作品の紹介
知事賞
八幡市立男山第二中学校 2年
倉矢 風花(くらや ふうか)さん

講評
鳥だけでなく、くじらやウミガメ、魚たちも、気持ちよさそうに大空を自由に飛んだり泳いだりしています。「ねぇねぇ、自由でいいんだよ。」というメッセージからは、自分らしく自由に生きることのすばらしさが伝わってきます。見ている人の心を軽くしてくれる、明るくのびのびとした作品です。
京都市長賞
京都市立双ケ丘中学校 3年
福塚 心遥(ふくつか こはる)さん

講評
「思いやりの心を育てる」
ハートのキャラクターが思いやりの心の花を育てる様子がとても温かく描かれています。窓の外に広がる草原や湖、入道雲の風景が、広角レンズで撮影した写真の様に描かれ、未来への明るい展望を感じさせ、作品全体に広がりと爽やかさを与えています。
京都府教育委員会教育長賞
舞鶴市立新舞鶴小学校 3年
山口 真凛(やまぐち まりん)さん

講評
にっこり笑ってウィンクする子どもの表情から、とても楽しい気持ちが伝わってきます。描かれたさまざまな種類の花も、うれしさややさしさを表しているようです。この作品は、見る人に楽しい気持ちやあたたかい気持ちを届けてくれる、すてきな一枚です。
京都市教育長賞
京都市立修学院中学校 2年
北尾 優花(きたお ゆうか)さん

講評
「みんなで作る友達の輪」
老若男女、動物、そして世界中の人々が手をつないで描かれている構図は、まさに“つながり”と“共生”の大切さを視覚的に表現しています。中央に配置された標語は、作品のメッセージをしっかりと支え、周囲の人物や動物たちが輪になっていることで、誰もがその輪の一員であるという安心感と温かさが伝わってきます。色彩や表情の工夫も見られ、見る人の心を和ませると同時に、色使いやフォントも見やすく工夫され人権の本質である「尊重」と「共感」を自然に感じさせる素晴らしい作品です。
京都府市長会会長賞
亀岡市立城西小学校 2年
平井 杏(ひらい あん)さん

講評
画面いっぱいに広がる虹と、なかよく寄り添う2人の子どもの姿が印象的です。力強く書かれた「みんな なかよし」という文字からは、大切な友だちを思う気持ちがまっすぐに伝わってきます。見ている人の心もあたたかくなる作品です。
京都府町村会長賞
京丹波町立蒲生野中学校 3年
上田 遙乃(うえだ はるの)さん

講評
色とりどりの葉をつけた大きな木の下に、国も年齢もさまざまな人々が集まっています。「いろいろな人がいるからこそ楽しい」という思いが伝わってくる作品です。それぞれのよさを大切にすることで、素敵な社会がつくられていくのだというメッセージが感じられます。
京都商工会議所会頭賞
京都市立修学院中学校 2年
菱田 実生(ひしだ みお)さん

講評
「一人一人の音色を響かせよう」
地球を背景にすることで、人権が世界共通の大切な価値であることを訴えています。柔らかく温かみのあるピンクの背景と各国の人々の笑顔の表情が人権の優しさや思いやりを象徴しています。音色や響の標語が虹色で、多様性や希望を象徴していて印象的な作品です。
京都府商工会連合会会長賞
京都府立京都八幡高等学校 2年
増田 かなみ(ますだ かなみ)さん

講評
たくさんの花に囲まれて、楽しそうに笑う子どもたちの姿が印象的です。4人の子どもたちは、おたがいのよさを認め合っている仲間のように見えます。すべての人が、それぞれのよさを大切にし、そのよさが輝く世界になるといいなと思わせてくれる、心あたたまる作品です。
京都府中小企業団体中央会会長賞
京丹後市立網野中学校 1年
藤田 真暖(ふじた まのん)さん

講評
爽やかな青空の下で、屈託なく笑い合う2人の生徒が描かれています。大切な友だちの存在が、日々を楽しいものにし、やがて幸せな人生へとつながっていくことを伝えています。色彩の選び方や表情の描写にも、中学生らしいみずみずしい感性と素直な眼差しが表れています。
京都府農業協同組合中央会会長賞
京都市立朱雀第七小学校 2年
宮地 祐之介(みやじ ゆうのすけ)さん

講評
「えがおの世界」というメッセージの通り、笑顔があふれる明るい雰囲気の中で、人と人とのつながりの大切さをやさしく伝えてくれるポスターです。みんなが一緒にいることで、あたたかい空気が広がっているのが感じられます。子どもならではの素直な視点で、人を思いやる気持ちや、みんなが笑顔で過ごせる社会への願いが込められた、心に残るすてきなポスターです。
京都府社会福祉協議会会長賞
京都市立洛央小学校 6年
城 大地(じょう だいち)さん

講評
日常の中で交わされる言葉が、人の心をあたため、支えになることを伝えてくれるポスターです。会話をする人々の姿と、「きみの言葉で心があたたまる」というメッセージが、やさしく、そして力強く表現されており、見る人の心にまっすぐ届きます。人との関わりや、思いやりのある言葉の大切さを伝えるこのポスターからは、みんなが笑顔で過ごせる未来を願う気持ちが、しっかりと伝わってきます。
京都府人権擁護委員連合会長賞
京都市立鏡山小学校 6年
岩井 咲樹(いわい さき)さん

講評
自分らしく生きる権利を、色彩豊かで温もりのある表現で描いたポスターです。それぞれの個性や夢が尊重される社会の大切さを、見る人にやさしく、そして力強く伝えています。「私たちには、『自分らしく』生きる権利がある」というメッセージは、心に響く力強い言葉として、深い共感を呼び起こします。多様性を認め合い、誰もが自分らしく生きられる社会の実現を願う気持ちが込められています。
応募作品全体講評
今年も多くの学校が参加し、たくさんの思いが込められた作品が集まりました。選考会では、児童生徒の思いに触れる楽しい時間である一方で、その思いをしっかり受け止めながら、各賞を決定する難しさも感じました。
小学生の作品には、「やさしさ」や「思いやり」をテーマにした温かみのあるものが多く見られました。低学年では、友達や家族との日々の中で感じたことを、自分なりに工夫しながら夢中で描いた様子が画面から伝わってきました。高学年になると、伝えたいことを明確に持ち、構図や色づかいに工夫を凝らすなど、伝えることを意識した作品が多く見られました。
中学生や高校生の作品からは、表現の発想や構成の深さが感じられ、ポスターとしての役割を理解し、伝えたい思いを明確にしながら、構成や配色にも創意工夫が見られました。入賞作品はもちろん、すべての作品に人権について考えた気持ちや願いが込められており、審査員一同、心を動かされる場面が多くありました。
このポスターコンクールは、図画工作や美術の学習の一環として取り組むだけでなく、人権について考えるきっかけとなる貴重な学びの場でもあります。今後も、表現する楽しさとともに、人権への理解を深める機会として活用されることを願っています。
また、この機会にとどまらず、日ごろから人権について考え続け、人権感覚を育みながら、描くこと・つくることを生涯楽しみ、豊かな心と社会を育んでくれることを期待しています。
令和7年度受賞作品
上記12団体賞のほか、優秀賞33点、佳作55点の入選作品があります。
※学校名及び学年は受賞時のものです。
