平成27年度人権擁護啓発ポスターコンクール優秀作品を掲載しました。

人権擁護啓発ポスターコンクールは、府内の小・中学校及び高等学校の児童・生徒が、人権をテーマとしたポスター(絵画)の制作を通じて基本的人権について理解を一層深め、人権尊重の精神を養う機会とするため、昭和59年度から実施しています。

平成27年度の人権擁護啓発ポスターコンクールには、198校から5,232点の応募をいただき、入選者が以下のとおり決定しました。

12団体賞受賞作品の紹介

知事賞

京都市立洛北中学校 2年
好本 陽香(よしもと はるか)さん

作品画像(大切にしよう、それぞれの個性)

寸評

統一されたキャラクターデザインをベースにしながらも、手にする持ち物や服装、髪型などを象徴的に描き分け、子どもたちそれぞれの趣味や特技、ひいてはその性格までも感じさせるような見事な表現となっています。淡くやさしい色の配色に白のセパレーション効果をうまく活かして明るく明快な画面をつくり、一人ひとりの個性を大切にしようという人権尊重の精神が観る人に温かく伝わってきます。

京都市長賞

京都市立藤森中学校 3年
水浦 彩月(みずうら さつき)さん

作品画像(届け心の声)

寸評

画面の隅で涙を流して座っている女の子が、今まさに何人もの友達からの心の声に気づいて顔を上げた瞬間を見事に表しています。友達からの気遣いや励まし・共感といった声を、友達の姿はあくまでも控え目に、そして、主役となるそれぞれの声を糸電話という繊細でやさしい表現に置き換えることで、作品全体の配色とともにより一層心のこもった温かさが感じられ、涙の表現はあるもののポジティブな作品となっています。

京都府教育委員会教育長賞

亀岡市立大井小学校 4年
十倉 舞桜(とくら まお)さん

作品画像(みんながわらってる わたしもうれしいな)

寸評

世代を超えて笑顔で共感し、手と手をつなぎ、心をつなげることの大切さがストレートに感じることができる作品です。優しい表情や世代の違いを、特徴をうまくつかみながら表現しています。文字にも表情や動きがあり、楽しさが伝わってきます。

京都市教育長賞

京都市立岩倉北小学校 6年
前田 彩花(まえだ いろは)さん

作品画像(笑顔の花を咲かせよう)

寸評

絵の中をよく見てみると、花の中や文字の中にも笑顔があります。この絵を見た人は思わず笑顔になってしまうのではないでしょうか。背景色が大変効果的で、ポスターとして人を引きつける力を持っています。色遣いも明るく、見る人の心に希望を持たせることが出来る作品です。

京都府市長会会長賞

長岡京市立長岡中学校 2年
中川 亜里紗(なかがわ ありさ)さん

作品画像(広がれ笑顔と優しいきもち)

寸評

指先まで思いきり身体全体を使ってメッセージを伝えようとしている気持ちが伝わってきます。今住んでいる地域というような狭い範囲でなく、地球から宇宙へと大きな世界に向けて広がって欲しいという勢いが感じられます。シンプルな構図とイメージによって伝えたいことがはっきりと気持ちよく伝わってきます。

京都府町村会長賞

精華町立精華中学校 3年
熊谷 今日子(くまがい きょうこ)さん

作品画像(Everyone is different and that's OK!)

寸評

作品のひらめきと視点がこれまでにないものでした。豊かな色彩とリズミカルな構成でよく考えられ、センスのよさを感じることができる作品だと思います。いろいろな傘が花のように咲き、それらが音符のようにリズムよく進んでいるように見えます。街中の雑踏と雨の音にあわせて軽快なジャズのような曲となって聞こえてくるような感じがします。

京都府人権擁護委員連合会長賞

八幡市立男山東中学校 3年
内山田 花(うちやまだ はな)さん

作品画像(いらない命なんて ないんだから)

寸評

この作品のように、どのような言葉がけよりもやさしくしっかりと抱きしめてあげることが大事なことだと改めて感じることができました。つらいことや悲しいことをしっかりと受け止めてあげることで救われるのではないでしょうか。それぞれの表情や色彩から優しさと暖かさがあふれてくる作品です。

京都商工会議所会頭賞

京都市立太秦中学校 2年
松下 桜子(まつした さくらこ)さん

作品画像(種をまくのは私たち 笑顔の花を咲かせよう。)

寸評

人権尊重をストレートに訴えかけるのではなく、花が咲きほこるように笑顔がいっぱいの世の中が、本当に人権が大切にされた世の中なんだというイメージを人物のポーズと表情で明るく、そして印象的に訴えかけています。また、画面の上段には植物の種子、中段には芽や茎・葉、下段に花を配置し、「種をまくのは私たち」というコピーとともに、そんな世の中を自分たちがつくり育てるんだという主体者意識が感じられるよい作品です。

京都府商工会連合会会長賞

長岡京市立長岡第九小学校 6年
丸尾 日奈多(まるお ひなた)さん

作品画像(幸せはみんなのもの)

寸評

とてもきれいな線で腕が表現されています。人と人との結びつきをやさしく手で大切に包みこんでいます。ひもで作ったハートの形は強い結びつきを感じさせつつ、繊細さも表現していると思います。一人から差し出された幸せが広がっていくように、また、結びつくことで幸せが生まれるなど、様々な物語を感じ取ることができる作品です。

京都府中小企業団体中央会会長賞

京都市立双ヶ丘中学校 2年
髙橋 佳苗(たかはし かなえ)さん

作品画像(自分らしく生きよう)

寸評

様々な国や地域から集う留学生の若者でしょうか。それぞれの違いや個性が丁寧に、そして生き生きとした表情で描かれています。そして、彼らが笑顔で誇らしそうに掲げているのが「自分らしく生きよう」のフリップボードです。国際社会が進む中、それぞれの文化の違いと共通性を理解し、価値あるものとして互いに尊重し合っていこうという方向性を、黄色を基調とした明るく行動的な配色でうまく表現しています。

京都府農業協同組合中央会会長賞

精華町立精華中学校 2年
土井 雪那(どい ゆきな)さん

作品画像(たった一言で傷つく心)

寸評

スマートフォンの普及で色々と便利になった反面、様々な弊害もあり、中学生にとっても身近な問題となっています。それ故にこの作品はリアリティが感じられます。大胆な構図とシンプルな配色、色面や文字を丁寧に仕上げることで緊張感やメッセージ性が強調され、中学生の内面を的確に表現されていて、問題意識の高さを感じました。

京都府社会福祉協議会会長賞

綾部市立吉美小学校 3年
由良 愛菜(ゆら あいな)さん

作品画像(みんななかよく)

寸評

さわやかな青空と元気に咲いているひまわりの中を仲良く楽しいそうに手をつなぐ友達の姿があります。子どもたちだけでなく、動物たちもその輪の中に入っています。そこには音符が描かれ、楽しい歌声やリズムが聞こえてきます。密度があり、様々な要素を強弱をつけながら自然にまとめあげられた作品です。

応募作品全体講評

今年も多くの学校で「人権擁護啓発ポスターコンクール」への取組をしていただき、たくさんの優秀な作品が集まりました。それぞれの作品に込められたメッセージや優しさに触れることができ、審査をしていても心が温まりました。

時代の移り変わりは早く、それとともに題材も変化し、色彩や人物表現の変化や、以前はメールであったものがSNSに変化するなど、子どもたちの環境の変化とともにポスターの表現も変化しています。しかし、いくら時代が変化しても、「変わらないこと」「変わってはいけないこと」がこの人権擁護啓発ポスターのテーマだと思います。

今回の審査で全体を通じて感じたことは、昨年度に比べて素直な気持ちをストレートに分かりやすく表現された作品が多くあったことです。シンプルにすればするほど色や形の表現の厳しさは増しますが、入選された作品は、指先や目の表情など細かい点を丁寧に仕上げられていたことが印象に残っています。それぞれの視点がしっかりとしていて、そこから様々なことを感じ取って、しっかりと自分の表現で描いていることが伝わってきます。その他にも、小学校低学年を中心に、様々な思いを膨らませながら1枚の紙に思いきり詰め込んだ、心温まる楽しい作品もありました。

これからの子どもたちには、主体的、協働的に問題を発見し解決していくための力や社会・世界との関わりが求められています。このことはまさに、人権擁護啓発ポスターを作成する過程で大事なことです。今後も、本コンクールが人権を身近な問題として考え、未来を担う子どもたちにとって大切なものとして考える機会にしてほしいと思います。また同時に、自分のイメージを広げ、色や形を工夫して創作する図画工作・美術教育の充実を図る取組としても、さらなる充実を願っています。

平成27年度受賞作品

上記12団体賞のほか、優秀賞37点、佳作51点の入選作品があります。

平成27年度人権擁護啓発ポスターコンクール受賞作品一覧(PDF:250KB

※学校名及び学年は受賞時のものです。

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