人権擁護啓発ポスターコンクールは、府内の小・中・高等学校の児童・生徒が、人権をテーマとしたポスター(絵画)の制作を通じて基本的人権について一層理解を深め、人権尊重の精神を養う機会とするため、昭和59年度から実施しています。平成24年度のコンクールには、188校から5,369点の応募をいただき、以下のとおり入選者が決定いたしました。これらの作品を展示する優秀作品展を、府内各地で順次開催いたします。
作品の紹介
知事賞
相楽東部広域連合立笠置中学校 3年
和田 紗英(わだ さえ)さん
寸評
子どもたちの笑顔とともに、人権の花であるスイセンから生まれたシャボン玉が、画面いっぱいに広がっています。そのシャボン玉は、絵を見ている人のもとへ、また、世界中の人々のもとへとふわふわと飛んでいき、作者の願いやメッセージを伝え、周りの人々を笑顔にしてくれることでしょう。
京都市長賞
京都市立藤森中学校 3年
横溝 眞玖(よこみぞ みく)さん
寸評
多くの人がフリップボードを持って一つの笑顔を作っていることを象徴的に表しています。子どもたちの表情が様々に描き分けられ、生き生きと表現されています。また、ボードの笑顔のいくつかの隙間から顔を出す子どもたちの表情が画面に変化を与え、作者の工夫が感じられます。一人一人が集まって笑顔になれるような社会を作っていこうという作者の思いが伝わってきます。
京都府教育委員会教育長賞
長岡京市立長岡第四中学校 3年
小田 あかり(おだ あかり)さん
寸評
「大きなかぶ」のお話を想起させますが、引っ張る人の数は増え、子どもからお年寄りまで多様な人々が「かぶ」を引っ張っています。誰もが知っているお話のイメージを有効に活用し、たくさんの人物を巧みに画面の中に構成されており、一人一人がお互いに支え合う気持ちをもつことや、そういう社会をつくることの大切さが伝わってきます。
京都市教育委員会教育長賞
京都市立御室小学校 1年
梅原 悠菜(うめはら はるな)さん
寸評
元気で優しい笑顔の子どもたちが、画面いっぱいに描かれています。一人一人の笑顔から「友だちといると楽しいよ。」、「いつも、いっしょ、仲良しだよ。」という声が聞こえてきそうです。生き生きとした子どもたちの表情と明るい色づかいから、絵を見る人も温かい元気な気持ちになれる作品です。
京都府市長会会長賞
亀岡市立大井小学校 6年
十倉 希望(とくら のぞみ)さん
寸評
「あいさつ」という日常の具体的な場面を通して、コミュニケーションの大切さや人と人とのつながりの大切さを考えさせられます。また、女の子の笑顔や、青空と朝顔のすっきりとした背景などから、あいさつをしたときの爽やかな気持ちが伝わってきます。
京都府町村会長賞
精華町立東光小学校 3年
藤田 葵詩(ふじた あおし)さん
寸評
人や動物、植物だけでなく、太陽や月、星、地球自身までもが一緒に手をつなぎ、「みんなともだち」であることの喜びが感じられます。また、島の並びが笑顔になっている地球、実のなる木から顔をのぞかせる小さな猿など、様々な工夫が見つけられ、見る人をとても楽しい気持ちにさせてくれる作品です。
京都府人権擁護委員連合会長賞
京都精華女子高等学校 3年
井藤 未世子(いとう みよこ)さん
寸評
白い雲が浮かぶきれいな青空。その青空を見上げる後ろ姿の少女。そこに吹く風の表現。青を基調とした全体の色づかい。そして、周りに調和するよう描かれた「自分らしく生きる」という文字。それら全てが一体となって、爽やかですがすがしい決意と勇気を見る人に感じさせる作品です。
京都商工会議所会頭賞
京都市立修学院中学校 2年
良川 千紘(よしかわ ちひろ)さん
寸評
少女の優しさと未来へつなごうとする気持ちが、画面からよく伝わってきます。雨上がりの虹が美しく空にかかり希望を伝えているようです。少女と猫を中心に配置し、虹が斜め上方への動きを作り出しています。また,空の青と草地の緑の中に少女の黄色いかさと赤いランドセル、「未来へつなごう、その気持ち」の赤色ロゴが印象的です。少女と猫の優しいまなざしとその背景がよく調和していて、作者の思いが伝わる絵となっています。
京都府商工会連合会会長賞
八幡市立男山東中学校 3年
松井 志穂(まつい しほ)さん
寸評
顔を上げ、前向きに生きることを大切にしようと、見る人に勇気を与える力強いメッセージが感じられます。自分自身の気持ちや同世代の友人の様子、いじめ問題をはじめとした社会的なニュースなど、身の回りの問題をしっかりと見つめてポスターの制作に取り組んだことが感じられる作品です。
京都府中小企業団体中央会会長賞
長岡京市立長岡第七小学校 5年
矢田部 花音(やたべ かのん)さん
寸評
様々な国の子どもたちが、それぞれ違った形や色の花を持っています。みんなの心に花を咲かせるためには、お互いの違いやそれぞれのよさを認め合うことが大切であることを感じさせる作品です。また、淡い色合いで全体がまとめられており、見る人を温かい気持ちにさせてくれます。
京都府農業協同組合中央会会長賞
精華町立東光小学校 5年
廣瀬 綾菜(ひろせ あやな)さん
寸評
助け合う二つの場面と、その周りを包む温かい色づかいやたくさんの花を通して、相手を思いやる優しい気持ちをもつことの大切さが伝わってきます。また、人物の服装やたくさんの花の色、文字の装飾など、細かいところまで描き込む丁寧さが、メッセージに込めた思いの強さと重なって感じられます。
京都府社会福祉協議会会長賞
向日市立第4向陽小学校 2年
三﨑 結衣(みさき ゆい)さん
寸評
手をつないだ子どもたちは、みんな笑顔です。その周りにいるウサギや小鳥、チョウチョなども笑顔です。さらに、空には笑顔の雲や太陽が浮かんでいます。画面いっぱいに、たくさんの笑顔の人物や動物たちを、一つ一つ丁寧に描いた作品で、「みんなでなかよく」という作者の願いがよく伝わってきます。
応募作品全体講評
今年も多くの学校で「人権擁護啓発ポスターコンクール」への取組が展開され、たくさんの力作が集まりました。審査の際には、それぞれの作品を通して、人権擁護への願いや啓発へのメッセージ、それを作品としてまとめる豊かな発想や工夫など、たくさんの子どもたちの思いや願いに触れることができました。
小学校低学年では、自分の感じたことを素直に絵に表している様子が伝わってくる作品が目を引きました。特に、楽しみながら表したことが感じられるものや、夢中で絵に向かっている様子が感じられる作品は、その一生懸命さが結果として人権擁護を願う気持ちとつながって伝わってくるように感じました。
一方、小学校の高学年からは、表したいことを明確にもっていることはもちろんですが、その内容に合わせて構図や色づかい、材料や用具の使い方を工夫するなど、自分なりの意図をもって表現している作品が目を引きました。また、中学生以上では、そのことに加えて、多くの人々にメッセージを伝えるポスターとしての役割を考え、見る人の側の視点も意識しながら表現している作品が目を引きました。
今後も、本コンクールが、人権を身近な問題として考える機会とすることを第一の目的としながら、人権感覚を磨く人権教育と、自分のイメージを形や色を通して表現する図画工作・美術教育双方の充実を図る取組として、有効に活用されていくことを願っています。また、本コンクールに取り組んだことが、常に人権について意識し、誰もが笑顔で暮らせる明るい社会を築くために自分にできることを考え、行動していく態度につながっていくことを願っています。
※他に優秀賞33点、佳作55点があります。
平成24年度人権擁護啓発ポスターコンクール 受賞者一覧(PDF形式 268KB)
※学校名・学年は、受賞時のものです。