平成23年度人権擁護啓発ポスターコンクール優秀作品を掲載しました。

人権擁護啓発ポスターコンクールは、府内の小・中・高等学校の児童・生徒が、人権をテーマとしたポスター(絵画)の制作を通じて基本的人権について一層理解を深め、人権尊重の精神を養う機会とするため、昭和59年度から実施しています。平成23年度のコンクールには、198校から4,946点の応募をいただき、以下のとおり入選者が決定いたしました。

作品の紹介

知事賞

京都府立鳥羽高等学校 2年
市川 まゆみ(いちかわ まゆみ)さん

作品画像(私は私らしく 今を生きる)

寸評

中心からだんだん形が大きくなるように描かれ、画面に奥行きと広がりが生まれています。「私は私らしく今を生きる」というメッセージがこちらに迫り、これから社会に飛び立つ高校生の「私らしく今を生きる」ことの喜びや、互いの人権を尊重し、誰もが自分らしく生きることのできる社会を築こうとする意欲が感じられます。

京都市長賞

京都市立周山中学校 3年
坂本 望友(さかもと みゆ)さん

作品画像(みんなの笑顔が 一番大切)

寸評

色とりどりの花が咲く明るい緑の中で様々な人たちがそれぞれ楽しそうな笑顔で上を向いています。みんなが太陽に向かって笑いかけているようです。上から下を見るような大胆な構図で,笑顔の人たちが輪になっているところを描いています。仲良く笑っている表情が印象的で,笑顔の中心にある輝く花がアクセントとなって画面を引き締めています。楽しい笑顔いっぱいの世界が表現されています。

京都府教育委員会教育長賞

八幡市立橋本小学校 5年
大里 泰輝(おおさと たいき)さん

作品画像(とどけみんなのやさしい心)

寸評

メッセージを風船に託した絵からは、「みんなのやさしい心」を、自分の身近な人にだけでなく、遠くに住む人々にも伝えたいという願いが伝わってきます。今年は、東日本大震災で被災された方への思いも連想され、一層共感を覚える作品となっています。

京都市教育委員会教育長賞

京都市立京都御池中学校 3年
石井 春花(いしい はるか)さん

作品画像(笑顔はみんなの宝物)

寸評

二人の男女がこちらに向かって笑いかけています。2人の人物の表情がとても生き生きとして描かれています。伸ばした手の角度が違うことで空間に奥行きをもたらし,手をこちらに伸ばしている様子が遠近感を伴って巧みに表現されています。また。色彩は明るい緑と青い空が輝いているように点描風に表現されています。青や緑と白を混ぜることなく重ね合わせることで,透明感のある輝きが表現されていて,宝物を表すような色彩になっています。

京都府市長会会長賞

城陽市立城陽中学校 2年
温井 このみ(ぬくい このみ)さん

作品画像(仲間がいるって心強いね。)

寸評

悲しんでいるロボットは寒色系の色と角張った形、寄り添っているロボットは暖色系の色と丸みのある形で、感情を効果的に表現しています。ロボットを登場させることで、「仲間がいる心強さ」や「人を思いやる気持ち」を一層強調しているように感じます。

京都府町村会長賞

相楽東部広域連合立笠置中学校 3年
和田 明香里(わだ あかり)さん

作品画像(優しく生きて きっと心に届く)

寸評

ほほえむ親子の表情や、柔らかい色づかいなど、画面全体が優しさに溢れています。これから生まれてくるおなかの中の命や親子の愛情にあふれた様子が描かれ、「優しく生きて」というメッセージとあいまって、「命の大切さ」が、伝わってきます。

京都府人権擁護委員連合会長賞

京丹後市立鳥取小学校 3年
青井 優太(あおい ゆうた)さん

作品画像(みんな 友だち)

寸評

ヒマワリの周りで遊んでいる友だちは、クラスメイトではないでしょうか。たくさんの子どもたちが、楽しく遊んでいる姿、そして堂々と描かれた「みんな友だち」というメッセージから、子どもたちの楽しそうな声が伝わってきます。

京都商工会議所会頭賞

京都芸術高等学校 3年
東田 真央(ひがしだ まお)さん

作品画像(たくさんの笑顔のために)

寸評

スナップ写真を表した絵からは、何気ない日常生活の中で、様々な笑顔が生まれていることに気付かされます。赤ちゃんからお年寄りまであらゆる世代の人々が、一人一人が尊重され、いつも笑顔で暮らせることの幸せや、そんな社会をつくることの大切さが伝わってきます。

京都府商工会連合会会長賞

八幡市立男山第二中学校 1年
前川 琴瑚(まえがわ ことこ)さん

作品画像(人権の花 みんなの心に 咲かせよう)

寸評

画面の奥の方まで細かくスイセンの花が描かれています。一つ一つの花は「人権の花」ではないでしょうか。スイセンの花を胸に、静かに願う女の子の姿と相まって、「人権の花」を「みんなの心に咲かせよう」という作者の願いが、静かに伝わってきます。

京都府中小企業団体中央会会長賞

京都市立御室小学校 4年
多那瀬 実結(たなせ みゆ)さん

作品画像(笑顔を広げよう)

寸評

12人の子どもが様々な色の服を着て楽しそうに手をつないでいます。それぞれの表情や服が丁寧に描き分けられていて,一人ひとりの子どもたちを大事に思っている様子がうかがわれ好感が持てます。背景の色は,淡い緑で落ち着いた中に明るさを表し,手前の花の色は濃く奥にある花や空中にある花びらなどは淡く描き,たくさんの色を使い分けて奥行きのある絵にしています。本当に楽しそうにしている様子で手をつないだ一人ひとりが横に2列に並び,まだまだ横に広がっていく感じがよく表されています。

京都府農業協同組合中央会会長賞

京都市立醍醐中学校 2年
中村 朱里(なかむら あかり)さん

作品画像(灯そうよ みんなのやさしい 心の光)

寸評

擬人化されたランプに天使がろうそくを灯そうとしています。バックの人が手をつなぎその胸には優しい心をピンクの明るい色で表現したハートがあります。単純化した人をバックに,擬人化されたランプは丁寧に描き込み,その対比の中で主題が強調されています。背景の黒の中に明るく灯るローソクの火や胸にあるハートが印象的になるように工夫されています。

京都府社会福祉協議会会長賞

相楽東部広域連合立笠置中学校 3年
田口 花帆(たぐち かほ)さん

作品画像(一人一人の個性の色を大切に)

寸評

遠近感を強調した巧みな構図により、様々な個性の色を表している風船が、作者のメッセージと一緒に、こちらに向かってふわふわと飛んでくるようです。一人一人が大切にされる社会を築いて行きたいという思いが、世界中に広まっていくようです。

応募作品全体講評

今年も多くの学校で「人権擁護啓発ポスターコンクール」への取組が展開され、たくさんの力作が集まりました。それだけに、選考には難しい面もありましたが、たくさんの人権擁護への願いや啓発へのメッセージ、それを作品としてまとめる豊かな発想などに触れることができました。

小学校低学年では、発達の段階からもポスターの役割を考えながら作品をつくることは難しいことですので、自分の感じたことを絵に表すこと自体を楽しみながら取り組んでいる様子が伝わってくる作品が目をひきました。夢中で絵に向かうその一生懸命さが、結果として人権擁護を願う気持ちとして伝わってくるように感じました。

一方、小学校の高学年からは、表したいことを明確に持っていることや、その内容に合わせて構図や色づかい、材料や用具の使い方を工夫するなど、自分なりの意図をもって表現している作品が目を引きました。また、中学生以上では、そのことに加えて、人にメッセージを伝えるポスターとしての役割を考え、見る人の立場も意識して表現している作品が目をひきました。

今後も、本コンクールが、人権を身近な問題として考え、人権感覚を磨き、感じたことや考えたことを基に豊かな発想や構想をして表現する図画工作・美術教育双方の充実を図る取組として、すべての学校で積極的に活用されていくことを願っています。

本コンクールに取り組んだことにより、子どもたちの人権意識が高まり「明日の京都」が目標に掲げる「一人一人の尊厳と人権が尊重され、誰もが自分らしく生きることのできる社会」を築くために、意欲的に行動できるようになることを願っています。

※他に優秀賞34点、佳作54点があります。
※学校名・学年は、受賞時のものです。

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