平成22年度人権擁護啓発ポスターコンクール優秀作品を掲載しました。

人権擁護啓発ポスターコンクールは、府内の小・中・高等学校の児童・生徒が、人権をテーマとしたポスター(絵画)の制作を通じて基本的人権について一層理解を深め、人権尊重の精神を養う機会とするため、昭和59年度から実施しています。平成22年度のコンクールには、219校から6,471点の応募をいただき、以下のとおり入選者が決定いたしました。これらの作品は、府内各地において順次優秀作品展として展示会を開催いたします。

作品の紹介

知事賞

亀岡市立保津小学校 3年
関口 楓人(せきぐち ふうと)さん

作品画像(広がれ友だちのわ)

寸評

3人の子どもたちの表情が豊かで、楽しい雰囲気から「広がれ友だちのわ」のメッセージがよく伝わる作品です。丁寧なクロッキーからは、メッセージを真剣に伝えようとしていることが連想されます。黄色を中心とした配色や色の塗り方も工夫されていて、明るい印象を与える作品にまとめられています。

京都市長賞

京都市立松尾小学校 5年
波多野 健大(はたの けんた)さん

作品画像(あなたの笑顔 いつでもどこでも かがやいている)

寸評

心に残った日常の何気ない生活の場面を描き,誰もが喜びや安心感をもって過ごすことの大切さが伝わってくる作品です。言葉のように,にこやかな人物の表情が生き生きと表現されています。全体的に美しい色遣いで構図も工夫されています。

京都府教育委員会教育長賞

長岡京市立長岡第三中学校 1年
笹倉 直子(ささくら なおこ)さん

作品画像(笑顔は幸せの証)

寸評

女の子の表情に加えて、無数のひまわりの花が、幸せな笑顔を象徴的に表しているように感じます。透明感のある空の表現と大きさや数を変えていく花の表現で効果的に遠近感が表されていて、「笑顔は幸せの証」というメッセージがどこまでも広がっていくように感じられる、爽やかな作品です。

京都市教育委員会教育長賞

京都市立市原野小学校 3年
亀山 志穂(かめやま しほ)さん

作品画像(やさしい心をそだてよう)

寸評

画面いっぱいに大きく咲いた「やさしい心」の花に種がたくさん実り,その種を自分たちで育てていこうという意図が見る人によく伝わるように表現されています。花の周りには人々がやさしい心を通わせている様子がはっきりしたタッチで描かれ,やさしい心をもって身近な生活の中でできることについて考えさせられる作品です。

京都府市長会会長賞

京都精華女子高等学校 3年
田中 春菜(たなか はるな)さん

作品画像(君の笑顔が 見たいから)

寸評

幼い子どもの笑顔は、多くの人を温かい気持ちにしてくれます。その無邪気な笑顔を通して、誰もが笑顔で過ごせる社会を作っていくことの大切さを訴えかけています。虐待のニュースがよく聞かれる今、この笑顔から多くのことを考えさせる作品になっています。

京都府町村会長賞

相楽東部広域連合立笠置中学校 1年
今井 菜月(いまい なつき)さん

作品画像(みんなで作ろう 笑顔の輪)

寸評

パステルカラーを中心とした色づかいや背景の色の塗り方から、優しく温かい雰囲気を感じます。また、中心から外へ広がっていくように背景や人物が表現されていて、「みんなで作ろう笑顔の輪」というメッセージや、それを象徴するハート型の輪がどんどん広がっていくように感じられます。

京都府人権擁護委員連合会長賞

伊根町立本庄小学校 2年
岩井 雄暉(いわい ゆうき)さん

作品画像(みんなともだち)

寸評

3人の笑顔につられて、見ている人も思わずほほえんでしまうような優しさ溢れる作品です。暖色系の鮮やかな背景が作品のもつ温かさを一層強調しています。一つずつ色の違う文字が、一人一人違う個性を表しているようにも感じられ、「みんなともだち」というメッセージの意味を深めています。

京都商工会議所会頭賞

京都市立大原野中学校 2年
田井 絢奈(たい あやな)さん

作品画像(笑顔の花咲かせよう)

寸評

一人一人の個性が認められ,誰もが安心して生きていくことのできる社会の大切さが描かれたキャラクターたちからうまく表現されています。向日葵の花をアクセントにして作品全体が動きのある構成になっており,見る人に明るく生き生きとした感じを与えてくれる作品です。

京都府商工会連合会会長賞

向日市立西ノ岡中学校 3年
堀内 美里(ほりうち みさと)さん

作品画像(世界中のみんなにアリガトウ)

寸評

地球を連想させる星の上でそれぞれに活動をしている人々の様子から、世界中の人々が幸せに、希望を持って生活できることへの願いが感じられます。また、絵の具、ペン、パスなど、様々な道具を駆使し、それぞれの道具の特徴やその組合せによる効果を生かしながら、細部にまでこだわりを持って丁寧に表現された作品です。

京都府中小企業団体中央会会長賞

京丹後市立湊小学校 2年
安田 萌捺(やすだ もな)さん

作品画像(えがおのスクラム)

寸評

スクラムを組んだ6人の姿から、「みんなで力を合わせて取り組もう」という願いが込められているように感じます。6つの顔と肩を組む腕が画用紙いっぱいに描かれ、密度の濃い作品に仕上がっています。文字は色紙をちぎって張ることでよく目立つようにするなど、効果的な材料の工夫も見られます。

京都府農業協同組合中央会会長賞

京都府立綾部高等学校 2年
上原 江里加(うえはら えりか)さん

作品画像(えがおの花を 咲かせよう)

寸評

気持ちよさそうに座っている子や優しいまなざしで友達を見ている子、花の上に乗るために手をさしのべている子など、温かい人間関係が感じ取れます。一輪の花の上を舞台にして人物を配置するなど、伝えたいメッセージをもとに豊かに発想し、画面構成が工夫された作品です。

京都府社会福祉協議会会長賞

京都市立西院小学校 6年
森 華乃(もり はなの)さん

作品画像(子どもはいつも ママのえがおまってるよ)

寸評

画面から子どもの素直な心の声が聞こえてきそうな作品です。すべての子どもは家族や身近な人たちから守られ,大切に育てられなければならないということを訴えているようです。優しい色遣いや丁寧な塗り方などの表現からほのぼのした感じもします。

応募作品全体講評

今年も多くの学校で取り組まれ、たくさんの力作が集まりました。それだけに選考会は、描いた児童生徒の思いに触れる楽しい時間であるとともに、その思いを受け止め、各賞を決定しなければならない大変難しい時間でもありました。

小学生の作品では夢や身近な生活の中で「やさしさ」や「思いやり」などをテーマにして,夢のあるあたたかな作品が多くありました。発達段階的にポスターの役割を考えるのはまだ難しい小学校低学年の作品では、テーマをふまえた作品であるということだけではなく、自分の感じたことや考えたことを表すこと、材料や用具を工夫しながら表すことなど、絵に表すことを楽しみながら、夢中になって描いたことが画面から伝わってきました。

一方、小学校の高学年からは、テーマに応じて表したいことを明確に持ち、その内容に合わせて構図や色づかいを工夫するなど、人にメッセージを伝えるポスターとしての役割を意識しながら表現していました。

中学生や高校生の作品では、メッセージを伝えるための発想や構想の面での深まりが感じられる作品が目をひきました。また、ポスターの伝えるという意義への理解が深まり,自分が描きたいという視点だけでなく,伝えたい内容を明確にして絵柄,構成,配色を創意工夫して表現していました。入賞した作品だけでなく全ての作品にそれぞれの思いや願いが込められていて審査員一同,感動させられる場面が多くありました。

このポスターコンクールは、自分の思いをポスターに表すという図画工作や美術の学習として活用することができます。しかし、それだけではなく、このコンクールで大事にしたいことは、ポスターを描くことを通して、人権についての理解や考え方、態度を深めるなど、人権について考える機会として活用することにあります。このコンクールに向けた取組が、図画工作・美術と人権の学習との関連のもと、その双方の学習にとって有効な手段として、今後も活用されていくことを願っています。 今後もこの機会だけでなく人権について常に考え,人権感覚をより一層磨いて頂くと共に,描いたりつくったりすることを生涯愛好して豊かな世界をつくり続けていただくことを願って全体講評とさせていただきます。

※他に優秀賞29点、佳作61点があります。
※学校名・学年は、受賞時のものです。

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