京都人権啓発推進会議設立25周年 平成21年度人権擁護啓発ポスターコンクール優秀作品を掲載しました。

人権擁護啓発ポスターコンクールは、府内の小・中・高等学校の児童・生徒が、人権をテーマとしたポスター(絵画)の制作を通じて基本的人権について一層理解を深め、人権尊重の精神を養う機会とするため、昭和59年度から実施しています。平成21年度のコンクールには、200校から5,306点の応募をいただき、以下のとおり入選者が決定いたしました。これらの作品は、府内各地において順次優秀作品展として展示会を開催いたします。

応募作品全体講評

今年もたくさんの応募があり、力作が揃いました。そのため、選考は大変難しいものでした。

今回応募された作品を学年別にみていきますと、

  • 小学校低学年の皆さんはともだちや動物たちと仲良くする姿や,毎日の生活の中で「自分もともだちもこうあったらいいな」という身近な思いを楽しみながら描いていることが感じられる微笑ましい作品が多くありました。
  • 小学校中学年の皆さんは「人を大切にすること」や「それぞれの違いを認め合う」などテーマに応じた内容をしっかりと考え,自分の思いを伝えることを意識して描くなど表現に対する成長を感じました。
  • 小学校高学年の皆さんは自分の伝えたいことをより多くの人に伝えるために「ポスター」という表現方法を意識され,身近な場面だけでなく地域や世界へも目を向けて描いている作品など,表現の幅の広がりが素晴らしいと思いました。

中学校や高等学校の生徒の皆さんは発想が豊かになり,表現の技能も格段に上達されて色や素材の使い方,文字のデザインなども人に思いを伝えるというポスターの趣旨を踏まえて,「人権」の視点に立ち,しっかりと主題を見つめて細かいところまで描いたものや意識的に単純化や強調することで強い印象を与えるなど創意工夫をしている作品が数多くあり審査員一同,大変感心いたしました。

入賞作品につきましては、

  • 小学校低学年の作品では、テーマと合った内容であることはもちろんですが、それ以外に、友達と遊んだ楽しさ、画面いっぱいに考えたことを描き込む楽しさ、しっかり色を塗り込んで表現する楽しさなど、絵を描いているときの楽しさや一生懸命さが画面全体から感じられる作品が評価されました。
  • 小学校の高学年から中学生の作品では、表したい内容に応じて構図や色づかいを工夫するなど、人にメッセージを伝えるポスターとしての表現が考えられているものに注目が集まりました。そんな中でも、客観的に作品を見つめ、自分の考えを効果的に表そうと工夫する姿が感じられる作品が評価されました。
  • 高校生の作品は、出品点数こそ少なかったですが、どれも1つの作品としてしっかりと構想が練られ、これまでに培った技術を生かして表現された作品ばかりでした。その中でも、画面構成の巧みさや伝わってくるメッセージの強さ、表現の技術などが、特に高いレベルでまとまっている作品が評価されました。

それぞれの学年によって発達段階が違うので、人権に対する考え方やポスターについての理解には差があります。また、表現の技術にも、学年や個人で差があります。しかし、自分の思いを持って真剣にポスターつくりに向かう姿勢が大切であることは共通しています。たくさんの作品を見ていて、作品に向かう姿勢が、そのまま人権についての考え方や態度につながっているように感じました。

今回の人権ポスターの取組を通して,応募された皆さんだけでなく,この児童生徒が一生懸命描いたポスターを見た府民の方々が,このことをきっかけに人権に対しての意識を高めていただけることを切に願っております。

作品の紹介

知事賞

京都市立藤森中学校 3年
横溝 真奈(よこみぞ まな)さん

作品画像(あなたはみんなの為に みんなはあなたの為に できることが必ずあるはず…〜一人じゃない〜)

寸評

見る人の目をひく赤いハートと一つ一つを丁寧に描いたキャラクターなど,ポスターの「伝える」ことを最大限に生かして表現しています。「あなたはみんなの為に みんなはあなたの為に」のコピーライト通り,人の立場に立って考える大切さが見る人に伝わってくる,そんなやさしくも力強い作品です。

京都市長賞

京都市立音羽小学校 2年
小倉 晴香(おぐら はるか) さん

作品画像(なかよし)

寸評

仲良しのみんなを乗せてどこまでもどこまでも続いていく列車とそれを見守る動物たちのやさしさが画面から伝わってくるような,見た人の心をあたたかくする作品です。

京都府教育長賞

向日市立第3向陽小学校 2年
中澤 柚葉(なかざわ ゆずは)さん

作品画像(えがおがいちばん)

寸評

3人が笑顔を寄せ合う画面構成で、「えがおがいちばん」というテーマをうまく表現しています。特に、3人がお互いの顔を見ていることから、仲良しの雰囲気を感じ取ることができます。それぞれの服の違いまでしっかり描き込まれていることで、一人一人の個性を大切にしようとする気持ちを読み取ることもできる作品です。

京都市教育長賞

京都市立山階小学校 6年
笠原 亜澄(かさはら あすみ) さん

作品画像(小さな命を大切に 虐待防止)

寸評

やさしい色合いで,見る人から「小さな子どもたち」を大切にする気持ちを引き出す作品です。たくさんの花とハートに囲まれた赤ちゃんの表現から,やさしさと子どもたちへの強い意志が見る人に生み出されます。

京都府市長会会長賞

亀岡市立城西小学校 4年
廣部 海優(ひろべ みゆ)さん

作品画像(みんな えがお)

寸評

見る人を思わず笑顔にさせる力強さを感じる作品に仕上がっています。「みんなえがお」と短く端的に表された言葉も、絵とよく合っています。みんなが周りにいる人と一緒に、この絵のように思いっきり笑いながら生活できるといいなと思わせる作品です。

京都府町村会長賞

宇治田原町立宇治田原小学校 5年
丸山 大地(まるやま だいち) さん

作品画像(君は一人じゃない)

寸評

膝を抱えて座る友達に、後ろから回り込むようにして話しかけている男の子のポーズから、「君は一人じゃないよ」と声をかけることの大切さがよく伝わってきます。また、手前から出ている手からは、みんなで助け合うことや、自分から手を差し出すことの大切さを考えさせられます。

京都府人権擁護委員連合会長賞

宮津市立栗田中学校 2年
濱本 もも(はまもと もも)さん

作品画像(大切な命を守ろう)

寸評

絵の中の子どもたちが空に向かってハートを掲げる構図からは、命の大切さを多くの人に伝えようとしていることが感じられます。4人の子どもたちのかわいらしいデザインや生き生きとした表情で、「命を守る」というテーマを、明るく親しみやすい絵にまとめて伝える作品です。

京都商工会議所会頭賞

京都芸術高等学校 3年
中西 芙海(なかにし ふみ)さん

作品画像(みんながいるから 笑顔になれる)

寸評

幼いこの笑顔は、見る人を温かい気持ちにします。そんな幼い女の子の無邪気な笑顔を通して、人を思いやる温かい心の大切さを感じさせる作品です。手に持った花輪や女の子の周りに舞う花びらは暖かい春の日を連想させ、柔らかく温かい雰囲気が一層伝わってきます。

京都府商工会連合会会長賞

八幡市立南山小学校 6年
松井 志穂(まつい しほ)さん

作品画像(君がいたから がんばれた)

寸評

後ろ姿で表情は描かれていませんが、それぞれの子の顔の向きや傾きで、お互いにどんな気持ちでいるのかが想像できます。問題が解決されて、明るい気持ちに変わっていく瞬間がうまく表現されています。見る人が「よかったな」という温かい気持ちになっていく作品です。

京都府中小企業団体中央会会長賞

相楽東部広域連合立笠置中学校 3年
貞 由布子(さだ ゆふこ)さん

作品画像(やさしさがつくる 笑顔)

寸評

2枚の写真風のイラストによって、2つの場面を1つの画面にうまくまとめ、伝えたいテーマを分かりやすく説明しています。キャラクターのデザイン、色づかい、スパッタリングの効果など、作品全体からテーマの優しさが感じられるよう工夫された作品です。

京都府農業協同組合中央会会長賞

井手町立泉ヶ丘中学校 3年
奥山 生夏(おくやま みか)さん

作品画像(誰にでもある 幸せになる権利)

寸評

貧困をはじめ様々な理由で、つらい生活を送られている人々がいることを考えさせられるテーマの作品です。ひまわりの花に囲まれている画面構成、一人一人の笑顔、画面全体の明るい色づかいなどから、「誰もが幸せに」という作者の願いが強く感じられる作品です。

京都府社会福祉協議会会長賞

亀岡市立千代川小学校 6年
田中 碧(たなか みどり)さん

作品画像(うれしいな きみがいるから)

寸評

3人の姿を丁寧にクロッキーして、その形や表情を誠実に表そうとしていることが感じられる作品です。一人一人の表情からは、友達がいるうれしさや安心感が伝わってきます。絵に向かう誠実な姿勢から、周りの人を大切にする気持ちが伝わってくる作品です。

※他に優秀賞35点、佳作55点があります。
※学校名・学年は、受賞時のものです。

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