平成29年度人権擁護啓発ポスターコンクール優秀作品を掲載しました。

人権擁護啓発ポスターコンクールは、府内の小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・特別支援学校及び外国人学校に在籍する児童・生徒が、人権をテーマとしたポスター(絵画)の制作を通じて基本的人権について理解を一層深め、人権尊重の精神を養う機会とするため、昭和59年度から実施しています。

平成29年度の人権擁護啓発ポスターコンクールには、205校から4,519点の応募をいただき、入選者が以下のとおり決定しました。

12団体賞受賞作品の紹介

知事賞

京都府立福知山高等学校2年
四方 真鈴(しかた まりん)さん

作品画像(幸せであふれる社会に)

寸評

「幸せであふれる社会」をみんなで目指していこうとする作者の思いが伝わってきます。貼り絵の手法により、温かな雰囲気が一層高められています。「思いやりを大切にしよう」「幸せであふれる社会を一緒に作ろう」と見る人に呼びかけてくるポスターです。簡潔な文字と絵柄、それに貼り絵の温かさも加わって、温かい思いが届くポスターに仕上がっています。

京都市長賞

京都市立向島南小学校6年
河内 晃(かわうち あきら)さん

作品画像(みんなえがお)

寸評

5人の子どもの表情が豊かで見ている者も思わず笑顔がこぼれてしまう作品です。「みんなえがお」という手描きの文字と5人の子どもの素直な表現が見事にマッチングしています。大きな手は喜んだ時に思わず広げた手をデフォルメしたのでしょうか、笑顔がより倍増してこちらに伝わってきます。作者は身近なお友達や兄弟を題材にしたのか、そこにある空気や音、においといった五感で訴えかけてくる作品だと思います。

京都府教育委員会教育長賞

長岡京市立長岡第七小学校5年
田中 咲良(たなか さら)さん

作品画像(となりの人、ハッピーかなぁ。)

寸評

高学年になり、次第にクラス全体を見渡して考えることができるようになっている様子が感じられます。文字は、黒板にチョークで書かれているように工夫してあり、近くで見ると質感まで表現されています。全体に明るい雰囲気が感じられ、となりの人がハッピーかどうかも気にかけながら、思いやりを持って接することや、自分もみんなもハッピーでありたい、という願いが込められています。

京都市教育長賞

京都市立周山中学校2年
髙林 ゆり(たかばやし ゆり)さん

作品画像(みんな大切ないのち)

寸評

母親が子どもをぎゅっと抱きしめているのでしょうか、深い愛情を感じる作品です。親子の図は他にもありましたがこの作品は母も子も自然でとてもいい表情をしているのが見ている者には印象的でした。お母さんが子どもを守り深い愛情を持つ、お姉さんと思われる子はその愛情に安心を感じ、母にもその愛情を送っている様に見えます。弟はまだ幼いのでしょうか、家庭の愛情を全身で感じているように見えます。

京都府市長会会長賞

京都教育大学附属京都小中学校8年
上田 彩加(うえだ あやか)さん

作品画像(生まれてきたことはそれだけですばらしい)

寸評

たくさんの人がにっこりと微笑みながら赤ちゃんを囲んでいます。この赤ちゃんの家族かなと思われる人から、地域の人まで、よく見るといろいろな職業の人が描かれています。画面中央にかけてオレンジ色からピンク色に変わっていく背景が、周囲の人々の温かい気持ちをよく表しています。共に支え合って生きていく社会を願う気持ちが込められています。

京都府町村会長賞

精華町立東光小学校6年
井上 和哉(いのうえ かずや)さん

作品画像(あなたの愛と勇気が希望の道をつくる)

寸評

画面の中央に、扉を開いている少年がいます。この少年が自分の「愛」と「勇気」で扉を開けたことで、その先にある「希望」が見えてきた様子を上手に表現しています。文字を絵の中に巧みに配置し、一体感のあるポスターになりました。手前から奥へ続く希望の道へと視線を導く構図と、微妙な色の変化で、すっきりと明るく仕上がりました。

京都府人権擁護委員連合会長賞

京都市立金閣小学校2年
上仲 栄徳(うえなか えいとく)さん

作品画像(ともだちたいせつに)

寸評

「ともだちを大切に」クジラに乗る子どもの姿はくじらぐものお話をヒントにしたのでしょうか。そのお話を知っている大人も真っ白な気持ちで楽しく過ごした子どもの時代を思い出します。よく見るとクジラは地球を表現しているのか陸が見えます。生き物もいます。人は髪の色も肌の色も違います。世界中の人が仲良く手を携えて環境も含めて,思いやりのある世界を願う子どもの表現が光る作品です。

京都商工会議所会頭賞

京都市立桃山中学校2年
下野 未帆(しもの みほ)さん

作品画像(笑顔は世界をつなぐ)

寸評

笑顔いっぱいの作品で、見ている側も温かい気持ちにさせられます。肌の色だけでなく多くの地域の顔の特徴を捉えて時間をかけじっくり観察されて描かれた作品だと思われます。顔の大きさや配置、色彩等偏りがないようにバランスを考えながら画面が組み立てられ、またその並び方も笑顔に呼応するようにリズミカルに配置されています。作者の作品に対する熱い思いが伝わってくるすてきな作品だと思います。

京都府商工会連合会会長賞

南丹市立八木西小学校6年
治田 紗也奈(じた さやな)さん

作品画像(大切にしたい みんなも私も)

寸評

中央にいるのが「私」で、その周りには、ハートの窓の中に身近な人物が描かれているように見えます。画面左上のハートの一部は外へはみ出るように描かれており、中央の私が、まだまだ他にも想像しているような、思いが広がっていく様子が感じられます。たくさんの人物を描きながら、明るい色調で、文字も読みやすく仕上げられました。

京都府中小企業団体中央会会長賞

八幡市立男山第三中学校2年
厚美 虹子(あつみ にこ)さん

作品画像(ひとりひとりのもち味大切に)

寸評

擬人化された野菜が元気いっぱいに描かれています。多様性を認めながら、自分に自信を持って生きていくことの大切さが感じられます。「ひとりひとりのもち味大切に」という文字も野菜の絵柄ともマッチするように考えられており、効果を高めています。

京都府農業協同組合中央会会長賞

与謝野町立加悦中学校2年
矢田 ひかり(やた ひかり)さん

作品画像(たくさんの命 たからもの)

寸評

たくさんの命に囲まれて暮らしていることに気付き、それぞれの命を大切に思う気持ちが表現されています。中央に向かって背景をグラデーションにしたことで、文字がより際立ち、さらにその文字の中でも「命」という文字は暖色を用い輝いて見えるように細やかな彩色をするなど、全体のバランスを見ながらポスターとして効果を高める工夫をしています。

京都府社会福祉協議会会長賞

京丹波町立下山小学校2年
川瀨 総司瀧(かわせ そうじろう)さん

作品画像(みんなたすけあおう)

寸評

人物が2人描かれています。立っている人(おそらく主人公の自分)が、転んでいる人(おそらく友達)を助けているように描かれています。よく見ると、友達の足元に石ころがあります。どうやら友達は、この石ころにつまずいて転び、転んだ拍子に帽子が脱げ、そして涙を流していることが分かります。その友達の手を取って助けようとしている絵です。絵から等身大のやさしさと物語が感じられます。友達を大切に思い、助け合える気持ちをみんなが持ってほしいな、という気持ちがとてもよく伝わってきます。

応募作品全体講評

今年も多くの学校で「人権擁護啓発ポスターコンクール」に取り組んでいただき、たくさんの力作が集まりました。こうだったらいいなあ、こんな風にしたいなあ、といったいろいろな気持ちや願いがポスターに表れていました。作品に表れる思いや願いに触れ、温かい気持ちになりながらの審査となりました。
小学校低学年では、絵に表すこと自体を楽しみながら自分の気持ちを素直に表現した作品が多く見られました。小学校高学年になると、学校や地域へ関心が広がり、人権について自分が伝えたいことを中心に、自分を見つめながらメッセージを届ける気持ちで取り組んでいる作品が多くなりました。中学生や高校生になると、ポスターとしてより伝わるものにするために、伝えたいことを焦点化し、そのために色彩や形、構図、表現方法などを選択して、訴求力や視認性を考えながら効果的に表そうとしている作品が多くありました。
今後も、本コンクールが、人権を身近なこととして考え、人権感覚を磨く人権教育と、豊かな発想や構想をして表現する図画工作・美術教育双方の充実を図る手段として、有効に活用されていくことを願っています。また、本コンクールに取り組んだことが、常に人権について意識し、誰もが笑顔で暮らせる明るい社会を築くために自分にできることを考え、行動していく態度につながっていくことを願っています。

平成29年度受賞作品

上記12団体賞のほか、優秀賞36点、佳作52点の入選作品があります。

平成29年度人権擁護ポスターコンクール受賞作品一覧(PDF形式510KB)

※学校名及び学年は受賞時のものです。

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