平成28年度人権擁護啓発ポスターコンクール優秀作品を掲載しました。

人権擁護啓発ポスターコンクールは、府内の小・中学校及び高等学校の児童・生徒が、人権をテーマとしたポスター(絵画)の制作を通じて基本的人権について理解を一層深め、人権尊重の精神を養う機会とするため、昭和59年度から実施しています。

平成28年度の人権擁護啓発ポスターコンクールには、188校から5,231点の応募をいただき、入選者が以下のとおり決定しました。

12団体賞受賞作品の紹介

知事賞

亀岡市立亀岡中学校3年
吉田 ほたる(よしだ ほたる)さん

作品画像(思いやりの花を育てよう)

寸評

誰もが笑顔で暮らせる明るい社会のためには、一人ひとりの思いやりの心が大切ではないか、という作者の思いが伝わってきます。思いやりの心を花に例え、それを大事にしたいという気持ちが、中央に大きく描かれた迷いのない構図や少女の表情からも伝わってきます。

また、背景を抑えた水色にすることで、思いやりの心を表す中央の花を鮮やかに引き立たせることに成功しています。文字も大きく簡潔で読みやすく、ポスターとして、子どもから大人まで広い世代に訴えかける作品です。

京都市長賞

京都市立太秦中学校3年
松下 桜子(まつした さくらこ)さん

作品画像(自分だけの色 たくさんの個性 1人1人が輝く世界へ)

寸評

3つのセンテンス、背景の宇宙や地球、大きなハートマーク、性別や年齢の違う4人の人物、そしてそれらを彩る豊かな色彩。この作品には実に多くの要素が詰め込まれているのですが、それぞれが主張しながらもうまくまとまっていて、まさしく「たくさんの個性がひとつずつ輝く」を具体化したようなすばらしい作品となっています。

京都府教育委員会教育長賞

精華町立精華中学校3年
西山 皆希(にしやま みなき)さん

作品画像(明日は変えられる)

寸評

明日は変えられる、というコピーが大変簡潔で分かりやすいポスターです。「気づいてほしい、未来は変えられるし、これからも変えていける」という作者の強い意思が感じられる作品です。

手前に悩んでいる子ども、その後ろから「待って!どうしたの?」や、「さっきはごめんね!」というように声を掛けようとしている子どもが描かれています。みんなで助けあいながら、相手の気持ちを考えながら、未来を作っていきたいという気持ちが伝わってきます。

京都市教育長賞

京都市立桃山中学校2年
水田 亜美(みずた あみ)さん

28京都市教育長賞

寸評

みどりの大地に広がる人々を色のシルエットで描き分け、中央に立つ少女の穏やかで何かを感じ取っている表情を強調しています。白い糸でつながったそれぞれのハートは、人の気持ちに気づき、つながっていくことを表し、そのつながりが蕾(つぼみ)に例えた人権尊重の精神となって、やがて美しい花を咲かせる様子として豊かな色彩で表現されています。

京都府市長会会長賞

長岡京市立長岡第四中学校3年
大畑 千裕(おおはた ちひろ)さん

作品画像(みんな十人十色 違いがだいじ)

寸評

様々な個性があるたくさんの人が優しい色遣いで丁寧に描かれ、それぞれの違いを認め、大事にして生かし、助け合って明るい社会を作っていこう、という思いが伝わってきます。

全体が柔らかい色調で、差別のない温かな社会を願う気持ちが表れています。

京都府町村会長賞

精華町立精華台小学校4年
松本 歩夏(まつもと ほのか)さん

作品画像(あいさつは えがおになれる まほうの言葉)

寸評

素直なコピーが素晴らしく、並んだ人物の表情も元気いっぱいです。あいさつをした後、みんなが笑顔になっている、そんな明るい空気を背景の黄色や花で表しており、それがポスターの外側にまで広がっていきます。細部まで大切に、丁寧に仕上げられています。

京都府人権擁護委員連合会長賞

南丹市立八木西小学校5年
治田 紗也奈(じた さやな)さん

作品画像(みんなもってる キラキラかがやく いいところ)

寸評

「みんなもってる、キラキラかがやくいいところ」を星に例えています。人物の顔も星も、周囲を白くすることで、本当に輝いて周りを照らし出しているように見えます。背景の紺色は、中央の人物の周りを囲むように脇役として控えめにグラデーションが施され、絵に遠近感を出しています。周囲の人のいいところを見つけ、共に支え合って生きようとする作者の思いが伝わってきます。

京都商工会議所会頭賞

京都市立太秦中学校3年
加登脇 美月(かどわき みづき)さん

作品画像(笑顔は世界の共通言語)

寸評

性別や年齢、人種の違いに動物まで加わった8枚の笑顔のイラストが、同じレベルで描き分けられており、まさしく「世界の共通言語」を表すような作品です。イラストの背景のオレンジとブルーの活動的な補色の配色と、自分でデザインした黄色のレタリングの字体も、楽しい笑顔を印象づけるのに一役買っています。

京都府商工会連合会会長賞

与謝野町立江陽中学校1年
和田 夢花(わだ ゆめか)さん

あなたが笑顔みんなも笑顔

寸評

人物が単純化され、様々な色によって個性豊かな人々を表しています。中央の大きく描かれた人物は、ポスターを見ている人でしょうか。コピーと相まって、「あなたが笑顔になると、周りも笑顔になれる」ことや、「一人ひとりが笑顔になれるように大切にすることが、みんなが笑顔になれる社会につながる」という意味がこもっているように感じられます。

 京都府中小企業団体中央会会長賞

向日市立第3向陽小学校2年
縄間 滉右(なわま こうすけ)さん

作品画像(友だち大すき)

寸評

「けんかもするけれど、そんな友達が大好きだ」という気持ちが伝わってきます。画面いっぱいに、ぐいぐいと力いっぱい描かれた2人からは、まさにそんな思いが手を伝わって画面に運ばれているように感じます。

自分とは違う友達のことを知り、認めあっていくという過程がうががえる視点が、他にはない、この作品独自の大きな魅力となっています。

京都府農業協同組合中央会会長賞

京都市立双ヶ丘中学校2年
木村 文音(きむら あやね)さん

作品画像(あなたの命 この手で守る)

寸評

「輪郭線に淡い色の彩色」と「シンプルかつ大胆な構図」で親の子に対する愛情を表しています。白や紺色で塗られた明朝体のセンテンスと手の表情が、親の誠実で温かい決意のようなものを感じさせ、ネグレクトなどの社会問題について考えさせられる作品となっています。

京都府社会福祉協議会会長賞

京都市立久我の杜小学校1年
湯浅 太貴(ゆあさ たいき)さん

作品画像(えがお)

寸評

画面いっぱいに表現された自分や友達の「えがお」がテーマになっており、一人ひとりのあどけない表情に、見ている方からも思わず「えがお」がこぼれる作品です。周りに描かれた色とりどりの花々もまるで揺れながら笑い合っているように見えてきます。こんな風に、素敵な「えがお」で微笑みあえる友達とのつながりをこれからもつくっていってほしいと思います。

応募作品全体講評

今年も府内の多くの学校から「人権擁護啓発ポスターコンクール」へのご協力をいただき、たくさんの力作が集まりました。一枚一枚の作品から、温かい気持ちや気づきが感じられました。ポスターの制作を通して、人権についての理解や考えが深められる機会にもなっていると思います。

審査全体を振り返ると、小学校低学年では、自分の感じたことを絵にすることを楽しみながら取り組んでいる様子が伝わってくる作品が多くありました。夢中で絵に向かうその一生懸命さが、人権擁護を願う気持ちとして伝わってくるように感じました。そして中学年からは、次第に表現の仕方を工夫して制作されていました。また、高学年からは、学校や地域など、社会の一員としての意識を持ちはじめ、自分なりの見方や感じ方を大切にしつつも、他者の立場、他人の気持ちを考えられる作品が多くなっていました。

中学生・高校生では、人権について、「自分なりにどう考え、どうしたいか」や「伝えたいこと」がより明確に感じられる作品が多くなり、そういった作者の思いが伝わる作品が高い評価となったように思います。

ポスターの制作では、思いや考えを伝えるために、文字や絵を使います。その相乗効果によって、見る人の心に訴えかけるポスターができます。文字については、先ほどの「伝えたいこと」にも通じますが、自分の内側から出てきた、自分の言葉になっているものは、思いがより強く伝わってきました。さらに、読みやすいものや、絵の内容に合っているものは、ポスターとしての完成度を引き上げていました。文字の大きさや形、入れ方も工夫し、作者の「伝えたいこと」やそのイメージをより明確に伝えられる色や、遠くからでも見える色を選びましょう。また、絵については、「伝えたいこと」を軸に、見せたいところ、目立たせたいところが、自分以外の人にも伝わるように、構図や色、描画材料などを工夫されているものがより印象的に見えました。

まず、「人権」について考える。そして自分は「何を伝えたいのか」を絞ることが、初めの一歩でもあり、最後の仕上げでも重要になってくるのではないでしょうか。

今後も、本コンクールが、人権を身近な問題として考える機会としながら、人権感覚を磨く人権教育と、感じたことや考えたことを基に発想や構想をして表現する図画工作・美術教育双方の充実を図る手段として、有効に活用されていくことを願っています。また、本コンクールに取り組んだことが、人権について意識し、誰もが笑顔で暮らせる明るい社会を築くために、自分にできることを考え、行動につながっていくことを願っています。

平成28年度受賞作品

上記12団体賞のほか、優秀賞31点、佳作57点の入選作品があります。

平成28年度人権擁護啓発ポスターコンクール受賞作品一覧(PDF:334KB)

※学校名及び学年は受賞時のものです。

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